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『技術・人文・国際』の在留期間更新・在留資格取得(COE)のための3つの必須要件

永住許可申請、経営・管理等昨年から今年にかけて入管の審査基準が厳しくなってきました。中でも『技術・人文・国際』(以下『技・人・国』とします)は一段と厳しく、COEを申請してもなかなか下りない(昨年の春ごろまでは2~3か月で下りていたのが、最近は6か月、中には1年近くかかる場合がある)。機関の更新が認められない(実際品川入管に行きますと、出頭命令を受けてきた人であふれています。殆どの人が退去命令を受けています。)
今回は、なぜ技・人・国』がこれ程厳格化してきたのか?という背景と共に申請の時に抑えておくことが望ましい、3つについてご紹介したいと思います。
1) 在留資格該当性
外国人が日本で行おうとする活動が、入管法別表に定められた在留資格の活動内容に合っていることです。
例えば、『技術・人文・国際』(以下 『技・人・国』であれば、自然科学・人文科学の知識を必要とする
業務や外国文化に基盤を有する思考・感受性を必要とする業務に該当しているか、ということを判断
します。
2) 上陸許可基準適合性
在留資格該当性に加えて、法務省令で定める上陸許可基準に適合しているかどうか、という問題が
有ります。 『技・人・国』であれば、原則として学歴・職歴・報酬などの要件が問われます。
入管のホーム・ページに詳しく出ていますのでご参照下さい。👉『技人国の資格該当性』
『技・人・国』で入国してきた人の増加は顕著で、2020年当時は40万人程度であった資格者が5年間
の間に5万人も増え45万人を超える様になりました。
問題は、上陸許可基準適合性に合致しない人がすり抜けて入国したり、日本の専門学校を卒業しているものの、日本語能力がN2に届かなかったり、専門学校で履修した科目の内容が『技・人・国』相当とはみなされない等、在留該当性に該当しない人が大量に『技・人・国』資格で在留する様になったことです。
『技・人・国』のイメージは、大卒レベルの専門知識を持った者が就く職業で、ホワイトカラー的な経理、営業、設計、ITエンジニア等なのですが、これらのレベルに満たない人たちは当然そのような職業に就くことができません。それでも、日本に入国後生活の糧を得なければなりませんので、勢い現場職に流れたり、『技・人・国』では認められていない職業に就くようになりました。低賃金で安く使われて生活に困窮したり、日本人労働者の領域を荒らすことに日本政府がNo.(ノー)を明確に打ち出して来た。最近の技人国審査の厳格化にはこの様な背景があります。
在留資格該当性や上陸許可基準適合性がなければ、どんなに申請理由内容を飾ったところで在留許可はでません。ただ、入管審査は全て書類で行われます。ですから、審査官に容易に理解してもらえる文書の作成が肝心だと思います。以下の3つの資料を補強資料として加えれば、視覚的にも訴えられて有効です。
1)履修科目と職種があっていること(特に専門学校生の場合)
『履修科目と業務内容の整合性がとれていること』入管がよく使う表現です。
学校での専攻と職種の整合性については、大卒(もしくはそれ以上)者に対しては比較的緩やかです。理系の大学を出て営業や経理業務をしたり、文系を専攻してIT業務に就くことが出来ます。
しかし、専門学校卒業者にはこれが認められません。専門学校での履修科目と今就いている職種の整合性が厳しく求められます。しかも、その職種がメインになっていなければなりません。事例をご紹介します。
例1:自動車関連業、専門学校での履修科目は主に経理や簿記等
【NGとされた内容】
経理業務が一日の業務時間の大半を占めていない。
この人は、午前中は顧客との電話応対や自動車保険のセールスを行い、午後経理業務に携わる時間は2~3時間でした。経理業務の他に、電話対応やセールス業務(保険の勧誘や受付)も担当していました。電話応対やセールス業務はアルバイトでも熟せる単純業務であり技人国相当とは言えない、と断ぜられました。セールス業務は保険の知識が要求され、保険を売るための資格も持っていて、アルバイトでは出来ない業務だと反論しましたが、入管は主張を変えることはしませんでした。この結果専門学校卒業以来7年の在日キャリアを中断し、一時帰国を余儀なくされました。
例2:コンビニエンスストア、専門学校での履修科目IT関連
【NGとされた内容】
『コンビニエンス業態とITは馴染まない』不許可理由を聞きに行って開口一番言われた理由です。オーナーと話し合い複数店舗の数量解析や省人化に向けてのシステム化等を盛り込んで再申請しましたが、入管側の考えをかえさせることはできませんでした。
■ この様に、専門学校の卒業生を雇う場合は業務内容と履修科目が有っていることが求められます。
■ 専門学校生を雇用しようとする場合、卒業証書だけではなく成績表も併せて確認し、自社の業態に合っている
かどうかを確認してください。
2)専門学校の履修関連業務が就業時間の大半を占めている事
例1の場合、経理業務を2~3時間しかしていない事も不許可理由でした。一日の就業時間の大半(少なくとも60%以上程度)は専門業務をしている事が求められます。
例2の場合も、“コンビニエンスストアでのIT業務は必要な時に都度発生するかもしれないが、常時就業時間を支配しているものではない。”とされました。
対策として、週間のスケジュール表を作成し円グラフで主要業務時間のみえる化を図ると良いと思います。
3)キャリア・プランの設定
キャリア・プランについては、大卒者にも求められます。
『技・人・国』を企業としてどう育成していくのか、という姿勢が問われます。
将来管理者になった場合に現場に不案内では指揮が取れないから、当面(最大でも1年程度)は現場作業をさせることを容認しても、それが固定化してしまっては『技・人・国』相当とは見なせない、という考えのもと『技・人・国』にふさわしいキャリア・プランが求められます。
年次を重ねるごとに、より高度な業務が出来る様に設計されているか。そのための教育は予定されているか。習熟度にふさわしい給与体系になっているか等です。
下記は一例ですが、自社の業態を踏まえて説得力のあるキャリア・プランを作成してみてください。
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人手不足はどこの業界でも深刻です。だからつい在留資格該当性や上陸許可基準適合性を逸脱した人を採用したり、職種を拡大解釈したくなります。
中には、「いい人物だから、(業務との整合性はないけれど)何とか雇ってあげたい。」などという人情がらみの話も持ち込まれたりします。しかし、この部分は厳格です。『人を仕事に合わせるのではなく。仕事に人をあわせます。しかも、資格のある人を。』ということになります。
最近では、入管が立ち入り検査を強化し、基準に満たない在留者や企業を摘発しています。違反している外国人は国外に退去させられますし、企業には不法就労助長罪が課されます。不法就労助長罪は、現段階では最長3年の拘禁刑と3百万円以下の罰金ですが、2027年4月からはこれらが5年と5百万円に引き上げられます。
外国人を雇用する場合は、『在留カード』を提示してもらい在留資格を確認するのは基本ですが、自社で採用する職種に適合するかどうかも慎重に見極めて頂きたいと思います。


