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在留資格『技術・人文・国際』の日本語要件 新基準

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在留資格『技術・人文・国際』の日本語要件 新基準

令和8年4月まで、技・人・国には日本語要件は課されていませんでした。
外国から学歴要件で招聘する場合、基本的には大学卒以上で有れば、極端な話日本語が全くできなくても、COE(certificate of eligibility,在留資格認定証明書)は許可されましたし、期間更新申請をする場合も日本語能力については問われませんでした。

しかし、本年(2026年)4月からカテゴリー3以下の企業に就職、転職する場合やカテゴリー3以下の企業で期間更新申請をする場合、原則CEFR・B2(JLPTのN2)相当の日本語能力が求められる様になりました。

なぜ、今まで『技・人・国』で問題にされなかった日本語能力が要求される様になったのでしょうか? その背景を考えると共に“N2相当”とはどれ程のレベルであるのかを見て行きたいと思います。

 
1.CEFR・B2レベルが求められる企業規模 カテゴリー3と4
 

外国人の在留資格は、就労系と身分系に分けられます。
就労系とは、技・人・国や特定技能1号・2号というもので、身分系は日本人の配偶者等や定住者、永住者というものです。
就労系の場合、就労できる職種や所属機関が限定されます。日本人や身分系の在留者の様に自由自在に働けるわけではありません。

企業規模により求められる要件に差が有ります。以下の様に分類されます。

 カテゴリー分類 企業規模 
 カテゴリー1 主に上場企業等だが他にも様々あり(👉出入国在留管理庁|在留資格『技術・人文・国際業務』 )
 カテゴリー2 法定調書合計表の給与所得の源泉徴収合計表の源泉徴収額が1000万円以上  の企業、団体、個人及び一定の条件を満たして在留申請オンラインシステムの利用を承認された機関
 カテゴリー3  法定調書合計表を提出した1000万円未満の企業、団体、個人
 カテゴリー4  上記のいずれにも該当しない企業(例:設立後1年未満の企業等)

 
2.なぜCEFR・B2相当が求められる様になったのか?
 

 1)技・人・国の資格を悪用した単純労働を防止するため

👉『技術・人文・国際』の在留期間更新・在留資格取得(COE)のための3つの必須要件 でも触れましたが、
基本的に大卒以上の有資格者であれば、日本語要件は問われませんでした。
これを悪用して例えば、通訳・翻訳や営業を行うとして『技・人・国』を取得したにもかかわらず、実際には工場のライン作業や飲食店の一般的な接客業務に従事する事例が指摘されています。
言語能力を必要とする専門業務について、その能力を客観的に確認することで、申請内容と実際の就労内容の整合性を審査しやすくする狙いがあると考えられます。

 2)申請時の業務内容の信頼性を高めるため

例えば、日本人客への通訳やホテルフロントでの日本語対応を主な業務とするにもかかわらず(👉詳細は後述)、日本語能力を客観的に示す資料がない場合、予定業務を実際に遂行できるか疑問が生じます。


そこで、言語能力を用いる対人業務について、一定の能力を証明する仕組みが導入されたと思われます。


 3)外国人受入制度全体の適正化

2026年1月に決定された外国人の受入れに関する政府の総合的対応策では、『技・人・国』の在留資格の適正化が打ち出されています。今回の要件追加は、その政策方針に沿った措置と位置付けられます。

👉 入管庁外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策 https://www.moj.go.jp/isa/policies/others/04_00104?utm_source=chatgpt.com)


 
3.CEFR・B2相当の種類
 

 1)CEFR・B2とは

CEFRとはCommon European Framework of Reference for Languagseの略で外国語修得レベルの評価基準です。B2レベルとは6段階の上から3番目のランクになります。

       CEFRランクの説明.png


2)CEFR・B2相当と認められるレベル

 CEFR・B2相当と認められるものには以下の7つがあります。

 ① JLPT・N2以上を取得していること
 ② BJTビジネス日本語能力テストにおいて400点以上を取得していること
 ③ JPT日本語能力試験において525点以上取得していること 
 ④ 日本留学試験(日本語(読解、聴解及び聴読解の合計))において200点以上取得していること
 ⑤ 中長期在留者として20年以上本邦に在留していること
 ⑥ 本邦の大学を卒業し、又は本邦の高等専門学校若しくは専修学校の専門課程若しくは専攻科を修了していること 
 ⑦ 我が国の義務教育を修了し高等学校を卒業していること

       
3)レベルについて

JLPTの場合CEFRとの相関は以下の様です。


JPLT.png
(出典:外務省関係資料) 各レベルは問題の難易度が異なるためN2の合格点はN3の合格点より低くなっている。


3)JLPT、BJT、JPTの比較

日本語能力試験(JLPT)、ビジネス日本語能力テスト(BJT)、日本語能力試験(JPT)の概要は以下の通りです。


  JLPT BJT JPT
実施時期 毎年2回(7月・12月) 通年・随時(予約制) 再受験には3か月の間隔が必要 年12回(原則毎月、再受験制限なし)
受験料(2026.11.1現在) 7,500円 8,000円 7,700円
試験方法 会場での筆記試験 CBT方式 会場での筆記試験

JLPTは年2回しかありません。在留資格期間更新等で急ぐ場合は、BJT、JPTもしくは2つの組み合わせで受験してB2要件を満たすのも1つの方法だと思います。

試験の詳細は各試験のHPを御覧ください。

JLPT: https://www.jlpt.jp/
BJT: https://www.kanken.or.jp/bjt/
JPT: https://www.jptest.jp/
4.CEFR・B2相当が求められない場合

 以下の様な人々の場合、現段階日本語要件は求められていません。

 1)言語能力を用いて対人業務に従事しない場合 

企業区分が、カテゴリー3以下であっても、例えばITエンジニア等でしたらCEFR・B2要件は緩和されます。

  👉入管 在留資格『技術・人文知識・国際業務』の在留資格認定証明書交付申請、カテゴリー3の欄の13を参照 

 2)3.2)の⑤~⑦に該当する人

日本に中長期在留者として20年以上居住していて日本人と同等の日本語能力があると見做される人や、日本において日本語で高等教育を受けた人たちです。この様な人たちはCEFR・B2相当に達していると見做されていますので、証明書の提出は求められません。

 3)在留期間更新許可申請時において、以前から継続して同様の業務内容に従事している場合

例えば、日本に『技・人・国』で来日し、同じ会社で継続して就業していて、期間更新を申請する場合です。この場合もCEFR・B2相当の証明書は、原則必要ありません。
     👉入管 在留資格『技術・人文知識・国際業務』の【お知らせ】欄注3参照

5.JLPT N2を取得する意義

現段階(2026年11月1日現在)では、上記4に該当する人たちにはCEFR・B2相当は免除されています。
しかし、この様な特例措置は撤廃されるのではないかと思います。日本の専門学校を卒業しているのにN3にも受からないレベルの外国人が目につきます。

『技・人・国』と言いながら日本語を解せず、単純労働を余儀なくされている人もいます。この様なことはいずれ顕在化して対策が打たれると考えます。

日本で生活する以上ルールを守り円滑に生活するために、“基本的な日本語能力”を身に着けることは当然だと思います。今、オーソライズされている試験は3種類ありますが、その中でも歴史が古く認知度が高いJLPTのN2を取得する事が望ましいと考えます。簡単ではありませんが、あなたの日本での生活を守る強い武器になると思います。








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